千里の道も一歩から

読書の感想を中心としたブログです。

明日は今日と違う自分になる

今回はデイル・ドーテン著の「仕事は楽しいかね?」という本を読みました。

 

この本は仕事で行き詰まりを感じていた「わたし」に対して、偶然飛行場で出会ったマックスという老人が仕事で成功するにはどのようなことが大事かということを説いていく話です。

実際にはマックスという老人は実在せず、数々の名言を、成功者の具体例を挙げつつ説明していくという形式をとっております。

 

この本はいかに優れたアイデア(目を見張るようなアイデアでなくともちょっとしたアイデアも含めて)に気付くかということに主座を置いた本であり、少し自分の仕事の本質とは違う印象はありましたが、それでも通じるところ、人生に役立つ言葉がところどころにありました。

 

仕事中に従業員が頭痛薬を水割りで飲んでいたことからヒントを得て開発されたコカコーラや、行商人として帆船で商売をしていた際にどうしても売れ残ってしまう汚れたテント用帆布を、品薄になっているズボンの代わりとして採掘業務用の丈夫なズボンにつくりかえたリーバイスのエピソードなど、身近なものからヒントを得て素晴らしいアイデアにつながるというエピソードを紹介しております。

 

しかし、これらのエピソードも偶然転がってきた幸運ではなく、日頃から「実験」(いろいろなアイデアを試すこと)を繰り返した賜物であるとのことでした。

それが「もし宇宙が信じられないような素晴らしいアイデアをくれるとして、きみはそれにふさわしいかね?」という言葉に示されております。

 

また、著者は綿密な目標を立ててマネジメントしていくことに対して、どうせ人生は思い通りにならない、その代わりに「明日は今日と違う自分になる」という目標を掲げています。

 

確かに、大きすぎる目標だけでは漠然としており、日々の進歩という面では変化をほとんど実感出来ません。

また明確な人生の目標があれば良いですが、それがない場合は、今の自分のままではいけないとはわかっていても変わることが出来ないという状態になってしまいます。

著者も「多くの人は自分がどんな仕事が大好きか、どういう仕事をこの先ずっと朝から晩までしたいかわからない」と述べています。

 

今の状況から一歩抜け出すという意味でも「明日は今日と違う自分になる」という言葉が自分の中に響きました。

 

また目標の負の側面として、それを達成してしまった時、つまりある事柄が完璧だと決め込んでしまったらその事柄はそれ以上良くならないということがあります。

フルート奏者のジャン・ピエール・ランパルという人物も「完璧とはダメになる過程の第一段階」と言っております。

 

逆に言うと、何かを始めた時に完璧を目指す必要はない。そこに完璧などなく、次の日により良い方向に違う自分になることが出来れば良いということをわかりました。

そして、何かを行って例えそれが失敗したとしても、そこから何かを学ぶことが出来ればそれは進歩であり違う自分になるということになります。

何かに始める時に完璧を目指したり、失敗することを恐れて踏み込めない自分としては大変勇気づけられる言葉でした。

 

働きだして6〜7年になりますが自分のやりたいこと、夢中になれることが未だ見つけられていません。

ただ「明日は今日と違う自分になる」ということを意識して1日1日を大事に生きていきたいと思います。

そして、いろいろと試しつつチャンスを逃さないようにして、いつか自分の夢中になれることを見つけられたらと思います。